≪ネーミング批評(1)≫
男性化粧品「UNO」(ウーノ)(資生堂)
・・・イメージはあるが、表情がない
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表情解析欄の最高ポイント数を50.0に抑えているため、複雑で奥ゆきが感じられることばですが、具体的な表情がどこからも聞こえてこない、たいへん不思議なことことばです。
表情解析欄には多くの表情語であるのに、そこからなぜ「表情」が顕在化しないのでしょうか
それは、次の理由によるものです。
この語は「動」の表情をつくる「濃い青色」の表情語と、「静」の表情を作る「うす青色」の表情語が「Q対A、D対T、A対T、F対R、R対E」のように同じ程度(1:1.2以内)のポイント数で並んでいるため、動と静が相殺されて明白な表情にならないからです。
また、明白な表情をもたないため、情緒解析欄の情緒語もほとんど出ていませんし、表情や情緒が見られないから、記憶や印象にも残りにくいことばとなっています。
また、情緒語がないのに複雑度欄に高点(4)が出たり、情緒性がないのにコンセプトバリュー欄で「中・高年齢者に好まれる語」が出るなど、矛盾した表現も見られます。
関係者たちが制作時にどのようなコンセプトをお持ちだったかは不明ですが、大衆の平均的な目線で捉えれば、以上のような評価となるのです。
≪ネーミング批評(2)≫
女性誌「JJ」(ジェイジェイ)(光文社)
・・・改めて「女性の実態」を見直そう
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「JJ誌」は2~30歳代の、都市派女性に向きの月刊情報誌です。
表情解析欄の高点部分に高級、優雅なセレブ女性を思わせる表情語が並び、情緒解析欄の情緒語がそれらを適切なイメージでフォローしていることがわかります。
だがこの層が、現代の消費者構造でいうF1層(Female 1層・・・20歳~34歳の女性)という存在であるのを思うとき、この分析表の表情語「シンプル感」、「躍動感」「軽快感」「強さ」「溌剌さ」などがすべて「ゼロ」ポイントになっているのがたいへん気になるところです。
この雑誌がF1層をなぜ意識に入れなかったのか。
いやそれは、JJ誌が見落としたのではなく、ここ20年ほどの間に若者の側に目立った質的分化があったからなのです。
この分析表で高点が出ている表情語は、現代では4~50歳代以上の女性にも当てはまるほど「若者・女ざかり・中年・初老」の概念が変わったからなのです。
ちなみに、JJ誌の創刊を調べてみたら30年前の昭和53年。そんな変異がまだ顕著に見られない頃のことばだったのです。
J J誌30年の歴史の重みを残しながら、タイトルを考えるべきときにきているように思うのです。
このことは、男女を問わず若者向け商品名一般についてもいえる大きな課題なのですが、現代の若者ムードを言語化するにはどんな音を使えばよいかが問題です。
それは一言でいえば、「JJ」の分析表にある
「有効音相基欄・・・有声音多用、濁音多用、マイナス輝性、逆接拍多用」
が作る音相と、全く反対のイメージを作る「無声音」と「順接拍」を大幅に取り入れることなのです。
これらを加えることにより、現代の若者ムードはいかようにでも表現できるのです。
ちなみに、無声音とはk.s.t.p,hの各行音とそれらの拗音をいい、順接拍とは子音と母音がプラスあるいはマイナスの同じ方向を向く拍をいいます。
≪ネーミングの極意・シリーズ≫
「広告コンペ」 に強い音相分析法
・・・・選にもれたらアイデア料は頂きません
広告代理店が各種の広告コンペに参加されるとき、クライアントに制作意図などを 述べた企画書(プレゼン文書)を提出しますが、企画書はアバウトなもののため、具体性や説得力に欠けるものとなりがちです。
コンペに勝つには感性的な「冴え」と具体性が必要ですが、音相論を用いると、誰もが思いつかない個性的な企画が作れます。
当研究所ではテレビのCM画像の制作やネーミングの選び出しなど、各種コンペの企画書作りのお手伝いをしていますが、音相分析法の理論と具体性が評価されて大手 代理店が多数参加するコンペでも、例外なく最終選考の段階を確保しております。
音相分析法の用例はコンペの種類によってまちまちですが、いくつかの例を上げてみましょう。
1. |
「テレビCMを制作する」コンペの場合。 |
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広告する商品名などを音相分析して、大衆がその語に対しどんなイメージを抱いているかを捉えたうえ、それをさらに高めるため、またはその語の欠陥をカバーするのに必要な映像を提案します。 |
2. |
「現用されているヒット商品を目標に入れながら、新商品の名称やCM案を提案する」コンペの場合。 |
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先行する商品名と新商品名との音相的特徴を捉えたうえ、有効な新名称や映像戦略を、科学的根拠をつけて提案します。 |
3. |
「新しいネーミングを制作する」コンペの場合。 |
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音相分析表とその評価文の実例 (こちらへ)をクライアントにお見せして音相分析へのあらましのご理解を得たうえ、「大衆の平均的感性」の視点で捉えた、より有力なネーミング案を科学的根拠とともに推薦します。 |
4. |
「現用されているヒット商品名を意識に入れながら、より有効な新商品名を推薦する」コンペの場合。 |
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音相分析表とその評価の実例(こちらへ)をクライアントにお見せして音相分析法のあらましをご理解いただいたうえ、現用されている商品名を分析してその長短を分析してさらなる有効案を根拠をつけて推薦します。
なお、当所でご協力したコンペ企画が選考からもれたときは、アイデア料は頂きません。
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詳細については、お気軽に研究所へお問い合わせください。
お問い合わせは、こちら
音相システム研究所では、企業等からのご依頼をうけ、社名、ブランド名、商品名などの「分析と評価」を行なっています。
別欄にその実例がありますので、ご参照ください。
音相分析および評価・料金表 (注・いずれも消費税を含みません)
(1) 個別評価の料金 (本評価料…1語ごとに本評価を行なうもの) |
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1語(1分析) |
30,000円 |
(2) 総合評価の料金 (ラフ評価と本評価を組み合わせたもの) |
・ラフ分析料 |
50語まで |
1語 |
2,000円 |
|
100語まで |
1語 |
1,800円 |
|
1,000語まで |
1語 |
1,200円 |
|
1,000語以上 |
1語 |
800円 |
・コンセプト調整費 |
1コンセプトごと |
|
70,000円 |
・本評価料 |
|
1語 |
30,000円 |
(注)総合評価を行なう対象は語数20語以上、本評価語数5語以上とします。
(3) その他の費用 |
1. コンサルタント料 |
(30分につき) |
5,000円 |
2. 出張料 |
(1日) |
10,000円 |
3. 特別調査費、事務費等 |
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(実費) |
4. 交通費、宿泊料 |
|
(実費) |
(参考) 総合評価(2)の料金例
(例1) コンセプト数1、ラフ評価数20語、本評価5語の場合 |
・・・・ |
260,000円 |
(例2) コンセプト数1、ラフ評価数100語、本評価5語の場合 |
・・・・ |
400,000円 |
(例3) コンセプト数1、ラフ評価数1,000語、本評価10語の場合 |
・・・・ |
570,000円 |
詳細は、当研究所へお問合わせください。(こちらへ)
ネーミングで忘れてならない
「麻痺現象」という落とし穴
新しいネーミングに出会ったとき、何とないぎこちなさを感じても、その語を繰り返し聞いているうち、初めのぎこちなさが気にならなくなることがよくあります。
このような現象を、音相論では「ことばに見られる麻痺現象」と呼んでいます。
麻痺現象は元号や地名や社名など、普段多く使われることばほど、それが早い時期に現われます。
「平成」という元号名が発表になった時、マスコミが識者や町の声を多く聞いていましたが、「感じが良くない」、「明るさがない」、「平凡だ」、「未来期待感がない」、「意欲がない」などの感想がほとんどで、「良い」というのはゼロに近いようでした。
そのときこの語の音相を分析してみたら、「穏やかで安定感はあるが、暖かさや親しみを感じない語」との評価が出、その原因は「へーせー」の4音がすべてネガティブなイメージを作る「エ」音できていることと、子音(h、s)も穏やかだが響きの弱い摩擦音ばかりでできているからだと出ていました。
私はそのとき、大衆のことば感覚の高さに驚いたのですが、同じ新聞社が3カ月後に行なった同じアンケートの結果では、前記の内容とは反対に「感じがよい」、「明るい」、「使いやすい」などがほとんどで、「良くない」はまったくありませんでした。
大衆の直感など、それほど当てにならないものだから、大衆の感や第一印象など無視してよいという見方も生まれそうですが、人々が麻痺現象を起こすのは表面的なところだけで、最初に直感した第一印象はいつまでも意識の底に留まって原型のままで作用し続けるものなのです。
東京株式市場の一部上場企業の名で、今でも元号名を冠しているのは「明治」5社、「大正」3社、「昭和」15社がありますが、会社の創立、合併などがとりわけ多かったこの20年間に、「平成」を冠した社名が1社もないのを見ても、社名にするほどの魅力のない語であることを、誰もが心の底で感じているからです。
「日本語の音相」をお頒(わ)けします
「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊)はすでに絶版となっていますが、当所に多少の余部がありますので、ご希望の方へお頒わけします。
音相システム研究所あて、郵便番号、住所、氏名、電話番号、冊数、配達希望時間などをご連絡ください。
本書の内容は→こちらへ
(価額1部3800円。送料、代金引換料、送金為替料は当方で負担いたします)
【感想文】
●新しい音相理論に感動
「日本語の音相」と「ネーミングの極意」、息もつかずに読みました。前人未踏の「ことばのイメージ研究」の全貌が理解でき、この理論の奥の深さに感動しました。このような書物こそ日本語を愛する人にとって必読の書と言えましょう。(t.tsuchiya)
●音相論は日本語美の真髄をとらえる研究
「音相」を知らずに「日本語の美」のことを考えてきた己の不覚を恥じ入りました。音相は、これまで誰も気づかなかった日本語美の真髄に迫る研究といえましょう。そして木通先生の業績は、それを文芸作品から商品名や流行語にまで広げて実証しておられることです。(京都大学・一文芸学徒)