音相マガジン

3月の記事

2007年3月15日(木)
●「カネボウ」から「クラシエ」へ・・・新しいブランド名を分析する

 花王グループの傘下に入ったカネボウ化粧品が、日用品、薬品、食品部門を新会社で運営することとなり、その社名を「クラシエ」と発表した。
 化粧品中心の高級優美なイメージを持つ「カネボウ」から、庶民的、日常的商品を作る「クラシエ」へ。
 このイメージ・チェンジがどこまで成功しているかは、研究所にとって大変興味のあるところ。そこで音相分析を行ってみた。

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 表情解析欄を見ると、「庶民性」と「日常性」の表現に必要な表情語が次のように上位のところで並んでいる。
 日常性を表わす表情語・・・庶民的(M項・・・50.0p)、現代的(H項・・・20.0p)、現実的(J項・・・20.0p)、明白さ(A項・・・16.7p)、安らぎ感(P項・・・13.6p)
 庶民性を表わす表情語・・・庶民的(M項・・・50.0p)、溌剌さ(G項・・・37.5p)、賑やかさ(D項・・・25.0p)、現実的(J項・・・20.0p)、シンプル感(A項・・・16.7p)、
 以上から、この語が2つのコンセプトを表現するのにふさわしい音を持った語であることがわかるのだ。
 また、表情語の最高点を50.0pと低めに抑えたところにもこの語の良さがある。表情語全体のポイント数を低めに抑えることにより、語全体に奥ゆかしさや気品が生まれるからである。

次に、高級化粧品が中心だった「カネボウ」を分析してみよう。

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 この語は、庶民性や派手さを最高点におきながら、高級ブランドの雰囲気を作る「静的(T項)」,「信頼感(Q項)」,「高級感(R項)」,「優雅さ(S項)」などを続いて高点で捉えている。
 このような「カネボウ」から実用性、庶民性の高い「クラシエ」への変身は見事に成功したといってよいだろう。
 だが「クラシエ」には、気になるところもないではない。
 それは、コンセプトである「暮らし」とあまりに近い音で表現されていることだ。
 それが意味的連想効果となってるのはたしかだが、ストレートにすぎるため奥行き感がない。
 そこにいま一つひねりがあったら、さらに品格が生まれたように思うのだがいかがだろうか。

2007年3月15日(木)
●「赤ちゃんポスト」の名はなぜ不評なのか

 子育てに窮した人が、病院の作ったボックスに赤ちゃんを置いて立ち去る「赤ちゃんポスト」というのが、今テレビなどで話題になっている。
 「必要性は理解できるが、ポストという語が気に入らない」というのが、安倍総理大臣を初め多くの人の感想のようだ。
 たしかに、この語には違和感を感じるが、その原因を理論的根拠をもとに説明できるのは音相分析法をおいてほかにない。

 
 

 この語が人々にどんなイメージを伝えているか。
 それはこの分析表の表情解析欄でほぼ明らかになる。
 欄の上位半分(10位・・・J項)を見ると、「現代的(H項),進歩的(B項),活性的(D項),若さ(G項),開放的(I項)」など、物質的、現実的なイメージを作る濃い青色の棒グラフが並び、人間性や情緒などソフトなものを伝える薄色の青グラフは「暖かさ(P項)」が1本あるだけだ。
 以上から、「ポスト」という語が人間性や情緒をほとんど持たない冷たい音でできた語であることがわかるのだ。

 ところでそのようなイメージは、この語のどこから生まれるのか。
 それは「音価欄」、「特性検出欄」および「有効音相基欄」が明白に取り出している。
 専門語の説明は省略して、主な部分を要約すると「無声音ばかりでできていること」、「音(拍)の数が3拍と極めて少ないこと」、「単純なイメージを作る順接拍構成の語であること」などとなる。

    

(注)順接拍構成とは、子音と母音がプラス(陽)またはマイナス(陰)の反対方向の音でできた拍(音節)をいう。

2007年3月15日(木)
●言語の「音用慣習」とは何か

 人はどんな言語音でも発音できる能力をもって生まれるが、ある言語の中で育つうち、使わない多くの発声器官は時とともに退化をしてゆくようである。
 これについて音声学者、城生佰太郎博士(筑波大教授)は、次のように述べている。

 「いわゆる喃語期にある乳児の発音を観察すると、乳児はほとんど世界のあらゆる言語音に用いられている音を一種の遊びとして無意識に発していることに気付くが、その無限の可能性を持つ乳児が成長して、いわゆる言語形成期にさしかかると、一時的に発音ができなくなり、更に発達が進んで母国語の発音が獲得されはじめると、今度はそれ以外の言語体系に用いられている音を発することができなくなり、遂には二度と再び口に出すことがなくなってしまう。これが普通の言語発達像なのである。」 (『当節おもしろ言語学』講談社)

 多くの日本人は「チ」や「ピ」を強い音、「グ」「ジュ」「バ」などの濁音はすべて暗い音、「ティ」、「ファ」、「ヴァ」のような新らしい音はモダンな音と感じるなど、日本人独特の好みや癖を持っているが、それらの多くは前記した言語が作る音韻的な偏り現象から生まれたもののようである。
 私はそれを音用慣習と呼んでいる。
 日本語固有の表現法や情緒なども、この音用慣習から生まれるものが多いようだ。

2007年3月15日(木)
●日本語にはこんな音用慣習がある

 日本語の共通語にも好みや癖から生まれた多くの音用慣習があるが、その中の目立ったところを上げてみた。

 (1)促音のあとの有声音は無声音化される。
(例)・ハンド・バッ(グ) → ハンド・バッ(ク)…グは有声音、クは無声音
  ・ベッ(ド) → ベッ(ト)…ドは有声音、トは無声音
 ・バ(グ)ダッ(ド) → バ(ク)ダッ(ト)…グ、ドは有声音、ク、トは無声音・・・・・・

 (2)促音のあとのハ行音はパ行音化する。
   (例)・一発…いつ(は)つ → いっ(ぱ)つ
  ・雑費…ざつ(ひ) → ざっ(ぴ)
  ・割烹…かつ(ほ)う → かっ(ぽ)う

 (3)新子音は近似の音韻に読み替えられる。
 新子音とは、近年使われるようになった「ファ行音、ヴァ行音や、ティ、トゥ、ディ、ドゥ音」と、これらの拗音をいう。
 日本語の長い歴史からみれば、これらはまだ耳新しい音であるためモダンで西欧的なものを感じるが、その半面、退化した口腔周辺の筋肉を使うため、言いやすい類似の音韻に読み替えられることが多い。
 その読み替え法は次のような一定のルールで行なわれている。
(例)・ディジタル → デジタル   ・ヴァイオリン → バイオリン   ・ティーム → チーム   ・コーフィー → 
 ・コーヒー   ・センティメンタル → センチメンタル
 ・キャットゥ → キャット   ・プロデューサー → プロジューサー

(4)曖昧母音を好まない。
 標準的な日本語の母音は明白な「アイウエオ」の5音だけで発音し、「曖昧母音」を好まない。

2007年3月15日(木)
●現代語の中に、ナゼ音相の悪い語が多いのか

 私は時々ことばの新陳代謝現象として、「音相的に優れた語は生き残り、よくない語は死語となって消えてゆく」と述べている。
 もしこれがすべての場合に当てはまるなら、長年にわたり厳しい淘汰を受けて生き残ってきた現代語には音相の悪い語などないはずだが、私がざっと試算したところでも現用している単語の三分の一ぐらいは音相的な不良語がのように思われる。
 厳選されているはずの現代語の中になぜ不良語が多いのか。
 それは、次の事情によって起こるのだ。

 1、 「大衆の選択」という過程を経ずに生まれた語が多いこと。
そういう語として、人の姓名をはじめ、企業が作るネーミング、学術用語、法律用語などがある。

 2、より良い語が現れないため、やむなく不良語が使われる例が多いこと。
 そのような語彙の不足を補うため、最近では西欧語が多く使われている。
近ごろ、氾濫している西欧語の中には、日本語の語彙の不足を補う役目を果たしているものが意外と多いように思われる。

 3、音に対する配慮なしに、意味や文字だけで作った語が多いこと。
その種の例として、外国語、法律用語、学術用語などのほか、「まえ彼、デパ地下、合コン、朝シャン、ミニスカ」など流行語に多く見られる短絡語などがある。

 したがってネーミングのプロは、難音感のある語を聞いて、それが有効な難音語か否かを判断する能力が当然なければならないのである。

           
2007年3月1日(木)
新車「デリカD:5」を分析する
      ・・・2つの呼び名、イメージがどう違う

 「家庭を愛する人の、タフBOX」というタイトルで三菱自動車が売り出した「デリカD:5」というネーミングが、一般にどんなイメージで伝わっているだろうか、音相分析を試みてみた。
 この車は一般では「デリカ」だけで呼ばれることもあるはずなので、2つの語について行なうこととした。

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 両語の分析表を比べると、次のようにどちらからも同じように伝わるイメージと、それぞれが違ったイメージがある。

 ○共通的に伝えてくるもの
   「個性的(K項)」、「シンプル(A項)」、「若さ(G項)」、「鋭さ(L項)」
 ○「デリカディーファイブ」だけが伝えるもの
    「暖かさ(P項)」、「高級感(R項)」、「高尚さ(S項)」、「静的(T項)、「安定感(Q項)」
 ○「デリカ」だけが伝えるもの
   「大衆性(M項)」、「派手さ(E項)」、「軽快感(F項)、「合理的(J項)」、「動的(D項)」

 以上から、どちらの語も「若さ」や「鋭さ」など車の雰囲気を伝えながら、「デリカD5」では「存在感」や「奥行き感」を、「デリカ」では「小回りの利く実用性や大衆性」のイメージを表現している語であることがわかる。
 そのような違いがこの語のどこから生まれたのか。
 それは「有効音相基」欄(ここでは省略)の次の項が捉えている。
 即ち、共通的に伝わるイメージは「イ音の多用、高調音種比、高勁輝拍多用」によるものであり、デリカD5が伝える「存在感」「奥行き感」は同欄の「多拍、マイナス輝性、新子音多用」が、またデリカが伝えている「実用性」「大衆性」は、「無声破裂音の多用、プラス輝性、順接構成、少拍、高総合音価」から生まれたものであることがわかる。
 どちらの語もコンセプトを的確に表現している優れた語であることがわかるのだ。

2007年3月1日(木)
●科学だけでは捉えられない「難音語」・・・その全容と、具体例

 子供の頃、ことば遊びでよく口にした「特許許可局」や「竹立て掛けた」のような言いにくいことばを難音語と呼んでいる。
 日常何気なく使っていることばの中にも、「朝日」は言いやすいが「朝日商事」は言いにくく、「身を守る」は言いやすいが「見守る」は言いにくいなどと感じることが少なくない。
 難音感は言語によって異なるし、訓練で克服できるものも多いため、これを体系的に整理したものは言語科学のどの分野にも見当たらない。
 難音感を感じるのは、調音種の構造から生まれる場合と、その言語の音用慣習から生まれるものがあるため、ことばを音声学的、生理学的な面からと、言語の習慣性に2面で捉える音相理論が出現したことで、始めてその実態が明らかになったものなのだ。
 言いにくいことばは、スムーズな音の流れを乱しことばの美しさを壊す場合が多いから、原則的には使わないよう工夫することが望ましい。
 だがことばの中には、難音感を使って心的、内面的な表現効果を上げる場合も多いから、その「言いにくさ」がイメージ表現上、有効なものかどうかの判断が必要となる。
ことばが持つ多面性と、それを解明する音相評価の難しさがこういうところにもあるのである。

2007年3月1日(木)
●難音感はなぜ起こるのか

 難音感のある語の音素の構造を調べると、難音感が生れる原因として、9つのパターンがあることがわかる。
 それらを例語とともに挙げてみた。

@同一、または同じ系統の調音法音種が3音以上連続したとき。
 系統が同じ調音法音種として、破裂音系(破裂音、破擦音)、摩擦音系(摩擦音、破擦音、接近音)があり、これらの系に属さない調音種として鼻音(マ、ナ行音)と流音(ラ行音)がある。
 これら同系の調音種の入った拍が3音以上連続すると「難音感」が発生する。 (難音部分に下線を引いてみた。)
 なお、拍と拍の間に長音または促音が入った場合は、連続関係は中断する。(この原則は、以下F項まで適用される)

【破裂音系の例】
たどたどしい ・暖(あたた)かだ ・ぺプチドホルモン ・ヘクトパスカル 吉日 ・特許許可局 ・キャピキャピギャル ・局長 ・竹立て掛けた ・アボガド ・タクティクス ・ナトコペイント(社名) ・傷つく ・ゴディバ(チョコレート) ・不可欠

【摩擦音系の例】
ひしひし ・事実上 ・手術室 ・秩序 ・バスジフ(洗剤) ・株式会社はやみ ・よそよそし(い) ・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

【鼻音の例】
ななまがり ・まごまご ・身ごもる ・ものものしい物まね ・ミニマム ・なみなみならぬ ・雨雲(あまぐも) ・寝耳に水 ・見守る ・うみがめ ・長野 ・フェミニニティー(女らしさ) ・ものまね ・生麦生米生卵

【流音の例】
〜られる ・らりる ・忘れられない ・メリルリンチ銀行

A同じ調音点音種が4音以上連続したとき。
  調音点音種いは次の3種がある。

 

【両唇音の例】
   ・パピプペポ ・マミムメモ ・バビブベボ

 

【前舌音の例】
   ・ただならぬ ・ボトリチスシネリア菌 ・グリチルリチン酸 ・設立 ・事実上 ・秩序 ・過失致死  ・切実

 

【喉頭音の例】
   ・博学 ・極北 ・幾何学 ・カキクケコ ・ガギグゲゴ

B拗音が2音以上連続したとき。
斜視 ・支社 ・車掌 ・所領 ・所持 ・種々相 
除去 ・手術 ・取捨 授業 ・拒食症 ・アキュビュー(コンタクトレンズ)・マイスターシュテュック(万年筆)

C濁音または半濁音が連続したとき。
ボディコン ・叙事詩 ・パブレストラン ゴジラ 
デジタル ・ヴェジタブル ・ ヴィジュアル ・バグダッド ・パジェロ(車) ・ペプシコーラ ・ パゴダ ・ポジティブ・ガガ(自動車)

 

D母音または接近音が3音以上連続したとき。
アイオア資金 ・相生(あいおい) ・あいうえお あわや

E異なる調音点音種が激しく入れ替わるとき。
赤巻紙黄巻紙青巻紙 ・ルパシカ ・デパチカ ・デカメロン ・プロジェクト

F日本語の音用慣習にない拍の連続があったとき。
  韓国語
・ボヨ ・ウォル ・プム ・ヌン ・ピヨ ・ジョム ・ヨプ ・ギョン ・ビョン ・ヒョン・ ピョン 
  中国語
・餐(ツァン) ・點(ディム) ・包(パウ) ・店(ディム) ・由(ヤウ) ・珠(ジュイ)
   タイ語
・チャウ ・ドゥアイ ・パゥ ・ドゥム ・ミットゥ ・ナムプ ・ディアウ

G促音の後に有声音がきたとき。
 ・ホットドッグ ・ハンドバッグ ・ベッド ・ドッグ ・デッドボール ・エッジ ・リキッド ・バグダッド ・ビッグエッグ ・ヴィックスヴェポラッブ(風邪薬)

H新子音があるとき。
 新子音は、これまで日本語で使われていなかった音のため、口腔周辺の筋肉の退化によって難音感が発生する。
 新子音には次の音がある。
f行…・フェスティヴァル ・フィット ・ハイファイ ・フェース ・フィロソフィー ・アトモスフェア ・フォーミュラー ・フィッシング 
di…・ディジタル ・パフィオペディラム(蘭の種類)
ディヴェロッパー ・ディフェンス ・オーディオ・キャディラック(車)
dju…・デュエット  ・プロデュース ・エデュケーション ・デュズジェ(トルコの都市名)
ti…・エキゾティスィズム ・ティケット ・ティーム ・カルティエ
Dzi…・イメーズィ ・クルーズィング
si…・フェンスィング ・スィスター ・スィンプル
v行…・ヴァイオリン ・ヴィデオ ・ヴォリューム ・アドヴェンチャー ・ヴィックスヴェポラッブ(風邪薬) ・・・・・・

2007年3月1日(木)
●難音語の言い換え法、4つの型

 日本人は発音しにくい音が出ると、表現方法や言い回しを変えるなどして無意識的にそれを使わないよう工夫する。例えば、話の途中で「よく柿食う客」と言おうとするとき、「よく柿を食う客」や「柿をよく食べる客」のように言い替える。
 私が調べたところ、このような言い換え法に次の4つのパターンがあるようだ。

 

@同じ調音種の連用を避ける。
 難音語(とその原因 )   → 言いかえ語(とその原因)
「降り乗り」(有舌舌舌)   → 「乗り降り」(舌舌有舌)
「ただちに」(破破破鼻)   → 「たらちに」(破流破鼻)

A拗音を直音化する。
「ジェネレーション」→「ゼネレーション」
「ジェントルマン」→「ゼントルマン」
「しんじゅく」→「しんじく」

B促音後の濁音を清音化する。
「ドッグ」→「ドック」
「ベッド」→「ベット」
「デッドボール」→「デットボール」
「バグダッド」→「バクダット」

C新子音を類似の日本語音韻に読み換える。
「ティーム」→「チーム」
「キャディラック」→「キャデラック」
「ディジタル」→「デジタル」
「ロマンティック」→「ロマンチック」
「ティケット」→「チケット」  ・・・・

2007年3月1日(木)
●プロはまず、難音語を見抜く耳を持て・・・

 ネーミングのプロが始めに身につけねばならないことは、ことばを聞いて言い難さがあるかないかを直感できる耳を養うことだと私は思う。
 ヒット・ネーミングといわれるものに難音感の入った語は、一部の例外を除いてないからだ。
 一部の例外とは、言いにくさや聞きにくさを逆用して、その商品のコンセプトを表現しているものをいう。
 清涼飲料「ペプシコーラ」の「ペプ」は、半濁音を連用した難音ごだが、その難音感が口中で泡粒のはじける感触が実感的に伝わってくる。

また、ダイアナ妃の遭難事故で有名になった「パパラッチ」の[パパ」が作る難音感も、この語の異様性を見事に表現した優れた語であといえる。
日常語の
 「ゴツゴツ」(破裂音系の4連続)
 「ピカピカ」(無声破裂音の4連続)
 「てきぱき」(無声破裂音の4連続)
 なども、難音感を活かして、語のコンセプトを表現している例といってよいだろう。

 したがってネーミングのプロは、難音感のある語を聞いて、それが有効な難音語か否かを判断する能力が当然なければならないのである。