6月の記事一覧
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6月の記事
・・・・社長さん・必見・・・・
バブルの時代、各企業では将来作られる商品のため、社員を動員してネーミングを考案し商標登録しておく施策が行われました。
そうして登録された大量の商標が、いま企業の金庫で不使用商標となって眠っています。
その数は消費財を生産する中堅企業では1万語ぐらい、大企業だと数万語の社も多いといわれています。
企業では、登録された商標は各事業部中心に運用されていて、他の事業部への融通もほとんど行われていないのが現状です。
しかしながら、会社がこれらの商標権を維持するのに、毎年どれほど費用がかかっているでしょうか。それを、1万語を持つ会社の例でみてみましょう。
年間1000万円の節約も…
特許庁では商標の登録申請は、化粧品、薬品、食品、電気製品、コンピューター、自動車、出版など45の「区分」ごとに行います。
そのため申請は、商品と直接関係ない区分のところにも同じ名前で行っておかねばなりませんから、申請数は45区分の半分くらいになるのが普通です。
こうして許可をうけた商標は、10年ごとに一区分151,000円の更新料がかかりますから、1万語を20区分に申請すると302億円、毎年30,2億円の印税を支払うことになるのです。(この計算には弁理士費用などは含みません)
だが、それほど費用をかけている未使用商標が、使用の価値があるかどうかが問題です。
音相分析を長年手がけてきた当研究所の体験から推算して、一応使用に耐えると思えるものは、大き目にみても3分の2程度と判断されます。
すなわち毎年支払う印税、30億円の3分の1(10億円分)は使用見込みのないものにお金を使っていることになるのです。10億円といえば中堅職員200人分の年間人件費に当たります。
以上は未使用商標1万語をもつ企業の例ですが、その100分の1…100語を持つ会社でも、年間1000万円の節約になるのです。
音相分析以外で、正しい評価はできません。
そこで遊休中の未使用商標が将来使用できるものかどうかチェックをして
みる必要があるのですが、それには、商標の1つ1つがその事業部の商品コンセプトに適しているかどうかを評価しなければなりません。
しかしながら、商品コンセプトの充足度を数量的に正しく捉えられるのは音相理論を用いる解析法をおいて他にはないのです。
こ れまで行ってきたリストラ施策ですでに整理済みとお思いかもしれませんが、企業内のネーミングの専門家といわれる人でも、音相解析のできる人はいないので す。音相理論を知らずに評価をすると、どんな専門家でも個人の主観が入るため、大衆の感性とはかけ離れたものになることが多いのです。
音相分析した結果、不適格と判断された商標でも、他事業部へ回せばヒット・ネーミングになれるものが相当数あるはずですし、どの事業部でも使えないものは、社外に売ればよいのです。
これからのネーミングは、制作の時代から流通の時代に変ろうとしています。当研究所では、これからの商標問題を種々の角度で研究しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
http://www.onsosystem.co.jp
(木通)
「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊)はすでに絶版となっていますが、ご希望の方に当研究所からお頒わけいたします。
(価額1部3800円、送料、代金引換え料は当方で負担)
音相システム研究所のお問い合わせフォームより郵便番号、住所、氏名、電話番号、冊数をご連絡ください。
(木通)
ことばの音声を大きく分けると、無声音と有声音になります。
無声音とは声帯を振動させずにだすパ・タ・カ・サ・ハ行音をいいます。無声音は、 「現代的、健康的、軽快感、明るさ、スピード感、爽やかさ」などの表情をつくる音で、「ペプシコーラ、カルピス、コカコーラ、カプセルホテル、ポルシェ、 ポカリスウエット」のようなことばの中で多く使われます。
また、有声音とは声帯を振動させてだす無声音以外のすべての音で、「優雅、落ち着き、穏やか、豪華、奥行き感、暖かさ」などの表情をつくります。「ダイヤモンド、エレガント、ジョニーウオーカー、メロン、サントリー・オールド、ロマン」などのことばで多く見られます。
日本語にはアイウエオ、カキクケコなど138個の拍(音節)がありますが、使われている拍の40数%は響きの明るい無声音で、残りの50数%が暗さやマイ ナス方向のイメージを作る有声音で占められています。日本語が外国語に比べるとやや地味な落ち着いたことばと言われているのは、使われる子音に有声音が多 いことと、1つ1つの音節の終わりに母音(有声音)がくるため、有声音の使用が目立つからのです。(木通)
日本人は外国語が好きで、横文字でさえあれば無条件に歓迎しているように見えますが、長く使われ愛用されている外国語は、日本人の音の好みにあったものに限られています。
そこに、現代人の音響感覚の高さがみられるのです。
愛用されていない外国語として次の例があります。
ヘクトパスカル(気象用語) ビッグエッグ(東京ドームの愛称)
DIY(日曜大工) ヴィックスヴェポラッブ(風邪薬)
WOWOW(放送局) マイスターシュテュック(万年筆)
デユオ(乳酸飲料) ナタデココ(食品)
ティー 紅茶) ベースボール(野球)
インターデスイプリナリ(学際) フイッシング(釣り)
ウオーター(水) リップ・スティック(口紅)
エグジット (出口) ソサエティ (学会)………
日本人が言いにくさを感じる音は、古い時代からこの国で使う習慣がなかった次のような音をいいます。
1、促音(ッ)のアトに濁音や、有声音がくる語。
2、V行、F行、ti、tu、di、du音がある語・
3、拗音が連続する語。
4、同じ種類の調音種が3音以上連続する語。
5、母音が3音以上連続する語。
6、音数が少なく、意味的に見てより適切な語が現れた語。
7、濁音や半濁音が2音以上れんぞくする語。
8、日本語の音用慣習にない音が連続する語。
(例・・・ヨプ、ヒョン、ビョン、ペク、・・・)(木通)
夏の夜空に大輪の花を開き、瞬時にして「無」の空間へ消えてゆく…そん
な花火の華やぎと儚さを、音相分析は次の表情語で捉えています。
「高級感、充実感、静的、暖かさ、強さ、シンプル感、優雅さ」
また、体験版では省略してありますが、それらを情緒解析欄では「人肌の温もり感、情緒的、クラシック、神秘的、夢幻的、哀感、不思議な感じ、大らかな感じ」でフォローしています。
このような表情は、マイナス高輝性、逆接拍、濁音の多用から生まれたもの
ですが、夏の夜の風物詩「花火」がもつイメージを一点の見落としもなく音響的に表現したまことにすぐれたことばであることがわかるのです。
次に、花火につきものの、「団扇(うちわ)」という語の音相を分析してみましょう。
表情解析欄の上位に「庶民的、賑やかさ、シンプ ル、若さ、爽やかさ、動的、合理的、軽快感」等があり、前にあげた夢幻的な花火と反対の、庶民的、日常的、実用的な表情語が並んでいますし、情緒欄では 「クラシックさ」を、コンセプトバリュー欄では、「簡便さ」「夏の風情」をなど捉えています。このような表情は、有効特性欄にある順接拍構成、プラス輝 性、イ音の多用から生まれたものであるのがわかります。
「花火」とはまったく違うが、これもまた美しいことばであることがわかるのです。