6月の記事一覧
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6月の記事
ことばはいつの時代にも「新しい風」を求める習慣があります。
それは、人々が言語生活のうえに新しい刺激を求めているからですが、
社会変化の目まぐるしい現代、流行語が異常発生するのもその表れと
言えましょう。
ことばに奇抜さを作る方法として次の7つのものがあるようです。
1、少拍化する (音の数を少なくする)
2、高勁輝拍を多用する(明、または暗の強い音を多用する)
3、アルファベットや片仮名語を多用する。
4、西欧の音韻を取り入れる
(ティ、デュ、ミュなどこれまでの日本語
にない音韻を使う)
5、イメージに合った音相を重視する。
6、意味的、または音相的にユーモア感や、軽やかさをもつ語を使う。
7、意味的連想性を重視する。
○流行語をみてみると・・・
全項該当・・・おやじギャル
6項該当・・・キャバクラ デパチカ アメフト IT ジコチュ―
5項該当・・・イケメン
4項該当・・・ダサい タマちゃん ファジー 一番搾り セクハラ
3項該当・・・おっは― FA(エフエー)
どれもが、上にあげた7項目の多くを含んだ語であることがわかります。
これらは、「流行語」や「ネーミング」を作るときの大事なコツといっても
よいものでしょう。
高い意識でネーミングを制作している業界の1つに、クルマ業界があるように
思います。それは「音」という困難なテーマの古くから意図的に工夫がされている
からです。それは、クルマのネーミングに「rやlと長音」が極めて効果的に使
われてきたことがあげられます。その結果、人々は名前をきくだけで、「クルマ」のイメージが自然に潜在意識の中に浮かんでくるからです。
○動く!走る!ネーミング表現
「r、l」の音には物事が動くさま、回転するイメージがあることに気付いた
のは、紀元前4世紀に有名な「万物は流転す」のことばを残したギリシャの哲学者、
ヘーラクレートスでした。RやLの音は、今でも世界の主要言語で「回転、
移動」の意味を持つ単語に多く使われていますし、言語体系が全く異なる日本語
でも「くるくる、ぐるぐる、ころころ、ごろごろ、ぶらぶら、ぶるぶる、歩く,
動揺、競争、旅行、流行・・・など、数え上げればきりがありません。
また、RやLと並んで、車の名には長音「―」が多くつかわれます。
長音はその前の母音を連続させる音ですから、当然時間的なの継続感を作ります。
これらを多くつかったなまえとして、外車には「シボレー、ロールスロイス、
ダイムラークライスラー、メルセデスベンツ、キャディラック、ポルシェ・・・、があり、
国産車でも「カローラ、スバル、トヨタスープラ、レガシー、アルファード,
サニー、ミラ、パジェロ、キャロル・・・」などがあるのがわかります。
・・その秘密はネーミング
いま東京で話題になっている人気の場所がいくつかあります。
これらはみな、工夫されたことばでですが、表現された施設をもっている
ことは言うまでもありません。それぞれの名前が現代人の心を動かす優れた
「音相」をもっていることがよくわかります。
長期にわたって人が暮らすマンションや事務所の名には、
「安らぎ感」「信頼感」「高級感」「優雅さ」など『静』のイメージを作る音
が多く使われ、公園や遊園地などくつろぎの場所では、庶民性や特殊性を現す
音や開放感(「シンプル、明るさ、活性的、現代感」等)『動』の面を表す音
が配されているのがわかります。
★施設の名前を考えるときは、その環境や内容を意味的に表現を工夫するほか、
その名が人々にどんなイメージを与えるかといった「音相」への配慮が
ネーミングのポイント。
〜「美人」と「別嬪(ぺっぴん)」〜
2つの言葉を聞いてあなたは、どんなイメージをもちますか?
Onsonic体験版で「美人」と「別嬪(べっぴん)」をお験しください。
○耳にしなくなった 別嬪(ぺっぴん)な女性!?
最近はあまり使われなくなりましたが、[美人]という意味に近いことばに
「別嬪」というのがあります。「彼女は別嬪だ・・・」というと、「美人」というより
何となく庶民的で身近なものを連想しませんか?
○「美人」と「別嬪」 どちらもいい女性??
この微妙な言葉の違いを音相分析ではどのように捉えているでしょうか。
※Onsonic体験版を見ると・・・
★美人・・・・・・
表情解析欄から「充実感、高級感が高く、暖かさ、落ち着き、安定感があり、
個性的」な語であることがわかりますが、「若さ、単純さ、強さ」など反対
方向を向く表情語も入っているため「非常に複雑」という言葉になって出て
います。
また、コンセプト・バリュー欄では、年齢、性別を問わず同じような感じで
受け止められているのがわかります。
★別嬪・・・・・・
表情解析欄で「シンプル(単純)、軽やか」で、「活動的でモダン」な感じが
捉えられ「複雑さはない」と出ています。また、コンセプト・バリュー欄では
男女ともヤング層には好まれるが、年齢の高い人にはあまり好まれていない
ことばであることがわかります。
○美人はエレガント 別嬪(ベッピン)は庶民的
よく似た2つの言葉ですが、このようなイメージの微妙な違いを、音相分析
は「美人」という言葉の高貴さと、「別嬪」にみられる庶民的な雰囲気を正しく
とらえているのがおわかりでしょう。
○是非あなたもOnsonic体験版で試してみてください
●●死語になりがちな言葉をみる
●「明治」「大正」「昭和」「平成」・・なつかしい元号
元号の始まりは、西暦701年、大宝律令が定められ大宝からで、
以後1300年になるようです。
西欧にない、このような優れたことば文化が、今あっさりと西暦に
とって変わろうとします。
それはグローバリゼーションの影響もあるのでしょうが、今の元号
「平成」の音相的な魅力のなさにその原因があるように思うのです。
●ときは今「平成」。どんなイメージ?!
表情解析欄では「庶民的」「活性的」「派手」「シンプル」など、
一応のイメージをとらえているように見えますが、
時代を表現するのにとりわけ欲しい「躍動感、現代感、合理性、
優雅さ」が、いずれもゼロ・ポイントのうえ、また、コンセプトバリュー
欄に見られるように、どの年齢層にも人気のない音相であることを
示しています。
また体験版の分析表では見られませんが、4拍中4拍すべてが「エ」音
でできているのが、その他の欄から取り出されます。「エ」音は、人を
寄せ付けない冷たさと「暖かさ」のなさを持った音なのです。
これがこの語の不人気の最たる理由のように思うのです。
●西暦と元号、どちらを好む?
昭和、大正、明治、天平など、元号には、誰もが同じようにイメージ
できる時代の顔がありますが、これが西暦1730年代のような数字に
なると、何のイメージもわきません。要町交差点角のことを3丁目
2、654番地というのと同じです。
習慣をつければ1730年代でもある程度イメージが浮かぶように
なるのでしょうが、昭和30年代の方が昭和という事態を限ったうえ、
数字(記号)の数が少ないだけに時代の顔が見えてくるのです。
元号を選ぶか、西暦を選ぶかは、ことばの顔が必要か不要かの違いを
意味するもので、それは文化を必要とするかしないかの違いといっても
よいでしょう。
●●ことばでイメージチェック
●「イケメン」ことばのイメージは?
表情解析欄の高点部分が「庶民的で単純(シンプル)、派手、特殊的、若さ」の
表情を捉えており、低点部分を見ると「爽やかさ、安定感、高級感をもたない語」であることを捉えています。
また、コンセプト・バリュー欄では男女ともヤングに受ける語とも出ています。
(※オンソニック体験版より)
●「ハンサム」ことばのイメージは?
高点部分では「爽やかさ、庶民的、進歩的、清潔感」などがあり、
低点部分で「高級感、個性、鋭さに欠ける語」を捉えています。
またコンセプト・バリュー欄を見ると、この語を好む人はイケメンより
幅が広く、老若男女の違いはあまりないと出ています。
●「イケメン」「ハンサム」結果は・・・
どちらも同じような意味を持ちながら、イメージ的には幾分違いを感じる
ことばです。それは「イケメン」には今風のナウさや軽薄感があるのに対し、
「ハンサム」には健康的な爽やかさではないかと思います。そこで音相分析
によってが、このような微妙なイメージの違いを、どこまで捉えているのか
をみてみましょう。
音数律の7音、5音の脚音と後続する頭音の間には、「同系の音を避ける」という不文律があるようだ。
そして、これらの音の間には、反対関係を作る次の音が使われている。
○ 有声音と無声音
○ 清音と濁音
○ O